動画におけるEOS 5D MarkII、7D、60Dの比較

EOSの動画機能が脚光を浴びてから、もう3年以上経ったけど、それは一般の人にも知れ渡るところとなったよね

でも、その一方で、5Dなら映画のような映像が撮れる!!見たいな短絡的な情報が独り歩きしてるのも事実

7Dは、まだハリウッドで使われているという事から、かなりいいというイメージがあるようだけど、60Dに関してはかなり過小評価されているみたいだね

業界の人ですら、ともかく5Dが綺麗な画が撮れて、7Dはその次、60Dはアマチュア用と思っている人も少なくないんだ

僕は現在、フィルムメーカーを目指している人達に、積極的に無償で技術、機材を提供するようにしてるのだけど、そんな人達ですら、無条件に5Dで、稀に5Dまたは、RED ONEという、本当に判っているのか?と疑問を持ってしまうような条件を出す人すらいるんだ

でも、技術者以外の人は人づての情報が主体だから、5Dと7Dの違いや60Dの能力を知らないのは、むしろ当たり前かも知れないね

だから、改めてこの3機種について書いてみようと思う

まず5Dと7Dは何が違うのか?これは、撮像センサーの大きさが違うの一言に尽きるんだね

5Dはフルサイズ、いわゆるフィルムカメラの35mmとほぼ同じ大きさのセンサー、そして7DはASP-Cというそのほぼ60%の大きさのセンサーで、こちらは映画の35mmのカメラのフィルムのサイズとほぼ同じ大きさ(これは35mmのフィルムを縦に回すのと、横に回すのとの違いから来ている)

センサーの大きさが違うと何が違うかというと、大きいほうが感度が良いのと、画像の解像度が全体に滑らかになるというのもあるけど、その辺りは並べてじっくり比べないと判らない程度のレベル

では何が大きく違うかというと、被写界深度なんだね

コンデジと、一眼で同じ距離からポートレートを撮影すると、一眼で撮影した方が背景がボケて、綺麗なイメージだよね

これは、やはり、コンデジのセンサーが小さくて、一眼のセンサーは大きいからこの差が出るんだ

被写界深度は、焦点距離が長ければ長いほど、絞りを開けば開くほど、浅くなるのだけど、センサーの大きさが違うと、同じ画角、同じ距離から撮影する場合、レンズの焦点距離も違うものになるんだ

例えば5Dでフルサイズの標準レンズ、50mmで撮影するものを、7Dで撮影する場合30mmを使用することになるんだ

結果、同じ絞り値だと、5Dの方がより深度の浅い、前後のボケた映像が撮れるというわけなんだ

ここで、気をつけて欲しいのは、被写界深度が浅く撮れるカメラが、浅く撮れないものより優れていると考えるのは早計だという事

必要な情報が、前後に大きく離れていたり、被写界深度がある程度深い方がいいケースもあるんだ

つまり、5Dを使うか、7Dを使うかは、クオリティの差というよりも、撮影の目的によって選択すべきだと僕は思うんだ

先日もスラップスティックコメディの自主制作の打ち合わせに行った時も、5Dで撮影したいという話だったけど、僕は7Dか、60Dで撮影する事を勧めた

コメディのように、役者が動き回ったり、屋内セットが主体になる撮影の場合、5Dのように被写界深度が浅いと、役者の動きにフォーカスが付いていけなかったり、深度を深くするために、絞ろうとすると、相当な照明を炊かなければいけなくなってくるんだね

通常の映画で必要な浅い深度は、7Dや、60Dに単焦点などの、明るいレンズをつければ充分に得ることが出来る(F2.8でも、充分に浅い被写界深度になると思うよ)

一方で、5Dは、CMや、ミュージッククリップなど、イメージ主体の場合は浅い深度で幻想的な映像を演出することが出来るんだね

もちろん、5Dでも、光量を増やして絞りを閉じていけば、被写界深度を深くすることは出来る

一概にどちらのカメラを使った方がいいかと判断するのは難しいけれど、シンプルに僕の印象を言うと

ドラマなどのストーリー主体のものは、極端に深度を浅くするよりも、ある程度は絞りを開けた状態でもフォーカスがくる方が、全体としては使いやすいから、7Dか60D

CM、ミュージッククリップは上述したとおり、5D

ドキュメンタリーは、意外に思うかもしれないけど、個人的には5Dの方がいいと思う

それは、ドキュメンタリーの場合、レンズ交換してる余裕は無いので、殆どズームレンズによる取材になってしまうから、多少暗いレンズでも被写界深度を浅く出来る5Dの方が有利かなと考えているんだ

でもこれもあくまで、ゆったりとした主体の場合で、報道に近い即時性が重視される場合は、むしろ普通のビデオカメラを使用した方が良い気がするよね

長くなったので、7Dと60Dに関しては次の回でね

ク~ル

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