奇しくも、「猿わかFCP」の終了と時を同じくしてFCP Xが発売開始したね
インターフェイスを始め、操作方法など、全く別ものの編集ソフトに生まれ変わってた
アメリカではプロのエディターを始め、ネガティブな意見が相当出ているみたいだよ
ケーブルテレビのコメディショーでは、FCP Xを使い切れていない制作スタッフが編集をしたって言うパロディが放映されたり
日本でも、H264にネィティブ対応した事と、64bitでカット編集が早い事くらいしか評価されていないみたいだね
僕も正直、やっとFCP7をマスターしたところに「なんだと~!」と最初はちょっとへこんだりしたんだけど
アップルのサイトの解説ビデオや、チュートリアルビデオの無料イントロダクションを見ると、結構いいんじゃないかって思えてきたんだ
そもそも僕は、旧FCPにしても好きで購入した訳ではなく、クライアントからの指定で止む無く導入、マスターしたという経緯もあって、正直インターフェイスが良いとは思っていないんだ
そういう意味ではずっとFCPを使い続けていたほど、愛着がある訳でもないんだね
僕が以前使っていた、カノープス社のDVストームは、機能こそ限られていたものの、操作性に関してはとても直感的で、初めて使った時も基本の編集はマニュアル無しでも出来たくらいだったんだ
ビューア画面は一つで、イン、アウトの設定やトリミングもタイムライン上で行っていたんだね
そのカノープスがエディウスを出した時、この操作性のままで機能を付加したものを作ったものと、期待したら、操作性自体はむしろプレミアに近いもので、がっかりしたんだ
さらにHD化とともに、個人的には最も操作性が優れていたと思う、DVストームを継承するソフトは無くなってエディウスに統合されてしまったんだ
DVストームのタイムライン上の基本操作はリップル編集なんだけど、これは僕的には一番生理にあっていて、直感的だと思うんだ
尺調整すれば、その前後のクリップが一緒にくっついてくるのは極自然で、旧FCPのように、尺調整した部分に黒みが残るのは気持ちよくないし、実際そんなやり方はこれまで一度も使っていないんだ
旧FCPではいちいちリップルツールを選択してトリミングをしなければいけなかったんだね
前置きが長くなったけど、FCP Xではこのリップル編集が通常のアローツールの状態で行えるようになっているし、クリップはギャップを空けずに前のクリップにくっつくようになったんだ
「マグネット・タイムライン」なんて、仰々しい名前で呼んでるけど実は10年以上前にすでにカノープスがやっていた事なんだね
思えば、プレミアやFCPなどのプロ用編集ソフトはリニア編集をコンピューター上に置き換える事を出発点にしていたのか、出し側と、受け側でイン点やアウト点を打つという事に固執していたのかもしれないね
それが、ノンリニア編集の良さを生かして、シンプルに構築することの、妨げになっていたのかもしれない
そういった意味で、ノンリニアの利点を最大限に生かすためには、過去のインターフェィスと決別する事はある意味、必然とも言えるんじゃないかって僕は思うんだ
実際旧FCPのインターフェイスはいかにもオールドファッションで、どんなに使い込んでも、特にタイムライン上の操作でミスを起こしやすく、アンドゥが出来なかったら使い物にならないかもしれない
僕の印象としては、全くFCPや、他社の編集ソフトを使った事の無い人や、僕みたいなお猿にとっては、FCP Xは直感的で分かりやすいソフトではないかと思う
XMLやOMFなどのファイルが書き出せない、マルチカム機能が無いといった問題もあるみたいだけど、アップルもバージョンアップで対応すると発表しているので心配はいらないと思うよ
テープからのキャプチャー機能も省かれたようだけど、サードパーティの無料ソフトで対応出来るらしいしね
いずれにしても個人的にはかなり食指がくすぐられる製品なので、いずれ購入したら「猿でもわかるFCP X」も書こうと思うので乞うご期待
でも、大枚叩いてFCP7を購入したばかりの人はやっぱり、腹立つよね~
僕はとりあえずワイハ~の仕事で元は取ったし、恐らく来年もこの仕事ではまだ、7を使うと思うのでセ~フかな
ク~ル