リニア編集風、フィルム編集風、で基本のカット編集を終えると、どちらも同じ状態になっているね
ここからが、言ってみればノンリニア編集の本領発揮なんだ
特に僕が考える最大の利点は、特殊な合成とかより、何よりも尺調整が自由に出来る事なんだ
リニア編集の場合、編集が終わった後に、特定のカットを縮めたり、延ばしたりするのに、それ以降の編集を全てやり直すか、画質劣化覚悟で、一旦コピーしたものをつなげる事になってしまう
フィルムの場合、短くする分にはさらに、カットしてつなげればいいんだけど、延ばす場合は一旦カットしたフィルムを見つけてつなぎ直さなきゃいけないんだね
それだけ、シビアな編集を強いられたんだ
ところが、ノンリニアだと、これがいとも簡単に出来てしまうんだ
何度も試行錯誤しながら、一番いい編集点を探る事が出来るし、予定尺をオーバーした時も、比較的簡単に短くする事も出来るんだね
但し、編集で何とかなるからと、無計画な撮影をすると、痛い目に遭うよ
フィルムや、リニアで育った人達が作業が早く、尺をちゃんと読めるのは、そういったシビアなところで仕事してきたからなんだ
前置きが長くなっちゃったね
早速、尺調整、編集点の微調整(トリミング)の仕方を説明するよ
まず、トリミングをしたい、編集点を選択してダブルクリックしよう
タイムラインの編集点がアルファベットのIのような形で選択されて、ビュアと、キャンバスの画面がトリミング用の画面に変わっているのがわかるかな
左の画面が前のカットのアウト点の画、右の画面が後のカットのイン点の画になっているよ
まず、単純に特定のカットを延ばしたり縮めたりする方法(リップル編集)を説明するね
ショートカット「U」を押すと、編集点の選択ハイライトが、右向きになったり、左向きになったり、真ん中になったりするね
前のカットのアウト点の調整なら、左向き、後のカットのイン点の調整なら右向きにしよう
続いてショートカット「<」「>」または、「{」「}」を押すと、編集点が前後に動くのがわかるよね
これで、希望の位置に調整した後、「\」を押して、編集点の周辺をループ再生させて、確認をしよう
「;」「’」キーを使って編集点を移動させて、同様のやり方でトリミングをしていくんだよ
次に、全体の尺を変えないで、カットとカットの編集点を同時にずらしていく編集(ロール編集)の仕方を説明するね
これは、台詞を画に先行させたり、次の画に残したりする場合(オーディオスプリット編集)や、アクションと同時にカットを変える(アクションつなぎ)によく用いられる方法だよ
詳しくは以前書いた記事を参考にしてね”超ビギナーのための自主制作映画講座 其の十五 (オーディオスプリット編集とアクションつなぎ)”
通常、同じクリップの音声とビデオはリンクしていて、カットも同時に行われるんだ
でもオーディオスプリット編集の場合は、音声はそのままで、ビデオの編集点のみを、ずらすので、このリンクを解除しなければいけないんだ
タイムラインの右上隅にある三つのボタンの真ん中が「リンク」ボタンで、緑のハイライトがリンクになっている状態
shift+Lを押すと、リンクが解除されて、もう一度押せばリンクになるよ
リンクを外したら、希望の編集点のビデオの部分をダブルクリックしよう
下のオーディオは選択されていないのがわかるよね
選択ハイライトは真ん中になっている事を確認しよう
リップル編集と同様に「<」「>」または「{」「}」で編集点をずらして「\」を押して確認をしながら、いい位置を探すんだよ
アクションつなぎの場合は、音の状態で、スプリットするか判断して、その必要がない場合はshift+Lで、リンクさせておこう
ショートカットがたくさん出てきて覚えるのが大変だけど、一度覚えてしまえば、マウスでボタンを探してクリックするより、作業は早くなるはずだよ
大事なキーはシールを貼るなどの工夫でわかりやすく出来るよ
または、KBカバーズから市販されている、FCP専用のキーボードカバーかUSBキーボードを使用すると簡単だね
次回はそれ以外のFCPならではの編集方法を説明するよ
ク~ル